こんにちは、K2 Partners佐藤です。
本日は、先日行った豪州不動産ローンファンドの勉強会についてです。こちらのファンドはオーストラリアの不動産開発業者向けに開発資金を貸し出し、金利を受け取るローンファンドになります。
オーストラリアの銀行も資本規制(バーゼルⅢ)の影響で大口の貸し出しが出来ない、1物件当たり貸し出し金額に上限がある、といったことで、ファンドから借入を行うそうです。通常の債券、劣後債、株式に近い債券といった弁済順位の違いで金利が変わるのですが、それらを組み合わせて20%程度の金利収入になっているとのこと。
そこから運用コスト等を除いて、だいたい年12-18%(平均13.5%)のリターン。貸付期間は12-52ヶ月(平均19ヶ月)なので、そこまで長い期間の貸付は行っていません。実際、運用報告書(Factsheet)を見ると、毎月0.5%〜1.5%ずつ、ずーーっと上がっていっています。
なお、不動産開発、というとまっさらの土地から開発を行うランドバンキング、というものもありますが、このファンドではそういった開発ではなく、あくまでディベロッパーが保有している土地に対する上モノ(住居、商業施設など)の開発資金の貸し出しを行っているそう。日本でも、都内を中心に高級レジデンスなど人気の場所では開発が決まり、実際に建物が建つ前に区分販売され、完売しているケースもあります。同様に開発段階で買い手が決まっている物件も多く、まず10%の手付金、建物が建ったら残りを支払い、といった契約を結んでいるので、返済不能リスクも限定的です。
債権回収が出来なかった場合は物件を保有し、売却することになりますが、今のところそういった事例はなく、貸付→上モノ建てる→完売→金利+元本回収という流れでやっているので、日本だけでなく、中国、韓国の資本もファンドに流れて、旺盛な不動産の資金需要に応えて規模を拡大中とのこと。
3月初旬には、日本の野村グループがこのファンドを通じてオーストラリアの住宅開発に1億ドルの出資を決め、ニュースにも取り上げられています。今後も安定したパフォーマンスを上げていきそうですね。